Weekly Review 20250331

Follicular thyroid carcinoma with partial oncocytic feature

  • Oncocytic thyroid carcinomaは他の甲状腺癌と比較し体細胞遺伝子変異の頻度が高く、LOHやミトコンドリアDNAの特異的な変異を特徴とする。
  • Oncocytic thyroid carcinomaと診断するには病理組織学的に predominance of oncocytic cells (≥75%) を要する。
  • 臨床的には、濾胞癌と比較して局所・領域リンパ節転移および遠隔転移を呈する頻度が高く、放射性ヨウ素(radioiodine)を取り込みにくいため放射性ヨウ素治療に対する反応性が低い。同様の傾向はoncocytic featuresを伴う低分化癌でも認められる。
  • https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38206595/
  • https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26462967/
  • https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32683470/

Desmoid-type fibromatosis

  • デスモイド型線維腫症(desmoid-type fibromatosis, DF)の診断におけるβ-カテニン核内発現の感度と特異度について、3種類の抗β-カテニン抗体クローン(β-catenin 1、17C2、14)を比較した研究では、各クローン間で有意な差が認められた。感度と特異度は以下の通りであった:
    • クローンβ-catenin 1:感度54%、特異度98%
    • クローン17C2:感度85%、特異度84%
    • クローン14:感度96%、特異度62%
  • これにより、クローン14は最も感度が高い一方で特異度は最も低く、クローンβ-catenin 1は最も特異度が高いが感度は最も低いことが示された。
  • LEF1免疫染色の結果はβ-カテニン免疫染色と同程度であり、感度88%、特異度76%であった。
  • β-カテニンの核内局在も使用する抗体によって異なり、また、クローンβ-catenin 1ではリング状にも見える特徴的な細点状dottedの細胞質染色が観察された。
  • https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33788979/

Infantile hemangioma

  • 乳児に最も一般的にみられる良性血管性腫瘍であり、急速な増殖期の後に自然退縮を示す。
  • HypoxiaやRAA系の刺激に対する血管腫幹細胞の異常反応が関与する。
  • 治療はレーザー療法、プロプラノロールなど。
  • ★(別件・詳細省略)適切な治療には臨床とのコミュニケーションが必須。
  • https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39052139/
  • https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34677814/

Residual metastatic NET, status post PRRT

  • ペプチド受容体放射性核種療法(Peptide Receptor Radionuclide Therapy, PRRT)は、ソマトスタチン受容体(SSTR)を発現するNETに対する標的治療法。ソマトスタチンアナログにルテチウム-177が結合した薬剤であり、ソマトスタチン受容体に結合することでルテチウム-177が腫瘍に取りこまれる。
  • GEP-NETのPFSとQOL改善が示されている。
  • 適応拡大の候補としてはpheochromocytoma, paraganglioma, medullary throid carcinomaなど。
  • https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36198028/
  • https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35649195/

Suspicious for sinonasal papilloma; however, RNAscope was negative for low-risk HPV


Does mapping biopsy, by definition, encompass lesion or confirmatory biopsy?

  • Stomach, [site], mapping biopsy:
    – Adneocarcinoma (#1)
    – Non-neoplastic mucosa (#2, 3)
    は#1が腫瘍部、#2, 3が陰性を意図したマッピング生検において適切な記載か?
  • Mapping biopsy は、病変の空間的広がりや分布を評価するために行われる。
  • Lesion biopsy は、臨床的に明らかな病変から診断を得るために行われる。
  • Confirmatory biopsy は、初回生検や画像によって示唆された診断を確認するために行われる。
  • 従ってlesion/confirmation biopsyをmapping biopsyとして一括りにするのは違和感がある。
  • [Procedure] にその意図を含めるべきかは controvertial であり、単にbiopsyで良いのではないかとする意見もあり。
  • (個人の意見)記法としては枝番号の後に含めるのが穏当ではないか。
    Stomach, [site], biopsy:
    – Adenocarcionma (#1; target lesionとか)
    – Non-neoplastic mucosa (#2, 3; sites suspecetd to be tumor-negativeとか)

Lung, left lower lobe, biopsy

  • (左B4と左肺下葉からの生検だが)左B4は上葉である
  • 単にbiopsyではなくTBLC (transbronchial lung cryobiopsy) と記載して将来の抽出に備えよう
  • 臨床診断にPPFEが含まれていることから、採取範囲を記載した方が良いかもしれない(まあ胸膜が含まれているはずもないが……)

MLH1-mutated Endometrioid carcinoma of the uterine corpus

  • MLH1 c.302_306+5del = エクソンの最後の部分(302~306番)と、続くイントロンの最初の5塩基が欠失している
    • MLH1 mRNAのスプライシングや安定性に影響を与える欠失変異であり、結果としてMLH1タンパクの機能喪失をもたらす→ リンチ症候群
  • この症例では EPM2AIP1 も loss していたが、そのメカニズムは?
    • MLH1の機能が失われると、MLH1遺伝子のプロモーター領域における高メチル化(プロモーター高メチル化)が引き起こされることがある。
    • この高メチル化は、MLH1とEPM2AIP1が共有するプロモーター領域に及び、両遺伝子のサイレンシング(発現抑制)を引き起こす。
    • Dámasoら(2018年)の研究では、EPM2AIP1-MLH1のCpGアイランドにおいて、局所的なエピジェネティックイベントとして一次性の先天的MLH1エピジェネティック変異が生じることが示されており、それにより両遺伝子の選択的メチル化とサイレンシングが起こることが明らかにされた。
      https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30283143/
      シトシン (C) がメチル化されると、5-メチルシトシン (5mC) となる。
      5mCは自然に脱アミノ化して、チミン (T) に変異する。
      MLH1欠損ではMMRが機能しないため、誤った T:G 塩基対を修復できない
      プロモーター領域の CpG アイランドに C→T変異が蓄積することで、EPM2AIP1 発現が消失する
    • Abildgaardら(2019年)の研究では、MLH1変異体の構造的不安定性や分解が機能喪失を引き起こすことが支持されており、これもリンチ症候群におけるエピジェネティックなサイレンシング機構に関与している可能性が示唆されている。
      https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31697235/

Primary cutaneous CD4-positive small/medium T-cell lymphoproliferative disorder (PCSM-TCLPD)

  • PCSM-TCLPDは皮膚に限局した小〜中型CD4陽性T細胞の増殖を特徴とする、稀で緩徐進行性のリンパ増殖性疾患
  • 臨床的には、通常無症状の孤立性結節や腫瘤として発症し、頭頸部に好発する
  • 病変は緩徐に増大し、自然退縮することもある
  • 組織学的には、真皮内にdense/nodular/diffuseな浸潤が認められ、表皮浸潤(epidermotropism)は目立たない
  • 浸潤細胞は主に小〜中型のCD4陽性T細胞からなり、反応性B細胞、形質細胞、組織球、好酸球が混在することもある
  • 免疫表現型として、腫瘍性T細胞は濾胞性ヘルパーT細胞(TFH)マーカー (BCL-6, PD-1, ICOS, CXCL-13) を発現し、CD10は陰性であることが多い
  • T細胞受容体(TCR)遺伝子再構成のクローン性は、60%以上の症例で検出される
  • 予後は極めて良好で、臨床経過は緩徐であり、全身病変への進展はまれである
  • 治療法としては、外科的切除、局所放射線療法、局所・皮内ステロイドなどがあり、外科的切除や放射線で治癒することが多く、再発もまれである
  • https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32271188/
  • https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29719019/
  • https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36341542/

Langerhans cell histiocytosis (LCH) mimicking osteosarcoma on imaging

  • マクロファージ集合との鑑別:
    • 細胞質がわずかに好酸性
    • 核小体(組織球はポツンと小さい)が見えない、核溝は運がよければ見える
    • 内部や周囲に好酸球を伴っている。よく探す

Myelolipoma of the retroperitoneum, diagnosed by needle biopsy

  • 脂肪成分と骨髄様造血成分が認識できれば診断可能
  • 6 cm以上の腫瘍では増大傾向や症状の出現がみられやすく、出血・著明な増大があれば副腎摘出術が推奨される
  • https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32275787/

Transbronchial ‘lung’ biopsy

  • わざわざ ‘lung’ を付ける必要はないのでは?
  • PubMed:
    • “transbronchial lung biopsy”[TIAB] 2,142
    • “transbronchial biopsy”[TIAB] 2,176
    • “transbronchial lung cryobiopsy” 283
    • “transbronchial cryobiopsy” 259
  • 一般書、医学書ベースでの使用頻度を調べる際は Google Ngram が有用。

Gastric adenocarcinoma of fundic gland type (GA-FG)

  • 低悪性度腺癌
  • 主細胞および壁細胞の分化を示す腫瘍
  • 胃の酸分泌粘膜(噴門・胃体部)に好発
  • 腫瘍径は4〜20 mm程度と小さい
  • 内視鏡的には粘膜下腫瘍様の隆起または平坦型病変として認められることが多い
  • 組織学的には、正常な胃底腺を模倣した腺管の分岐・癒合構造を示し、細胞異型は軽度
  • 免疫組織学的には、MUC6, pepsinogen I, H⁺/K⁺-ATPase陽性で、主細胞・壁細胞分化を反映する
  • Ki-67標識率は低く、p53の過剰発現も認められない
  • 従来型胃腺癌とは異なり、TP53/PIK3CA/KRASなどのドライバー変異は欠如している
  • GNAS遺伝子変異が約14%に認められ、Kataegis(局所的な変異蓄積)現象が観察される症例もある
  • 一部の症例ではMSI-highおよびAXIN2変異を伴うWnt/β-catenin経路の活性化が報告されている
  • vs OGA: 細胞異型、粘膜下浸潤、脈管侵襲の有無による
  • 以下は最近の文献から読む価値がありそうなものをpick up
  • https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39382261/
  • https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40100386/
  • https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36042639/

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