アメリカのちぐはぐなところは、ほとんどクレジットカード一枚で済むくせに、妙なところで現金や小切手を要求されるところである。
アメリカのアパートには各部屋に洗濯機がなく、洗濯はコインランドリーで行うのが普通である。アパート内に併設されていればいいが、そうでなければ洗濯のために車を出さなければならない。私の住んでいたところでは一階にあったので、末期の運転恐怖症でアメリカでも頑なに車を持たなかった私はずいぶん助かったのだった。
さて、その洗濯機だが、難儀なことにどのメーカーも25セント硬貨しか受け付けてくれない。洗濯機は2,3ドル、乾燥機は1, 2ドルだから、だいたい25セント硬貨が12~20枚必要になり、ポケットはじゃらじゃら、ずっしり、というわけである。
ところが2020年になってわがボロアパートのランドリールームに改装工事が入り、機械が一新された。私は最初「なんや綺麗になったな」としか思わなかった。しばらくして両替機が撤去されているのに気づき「おいおいなにしてくれとんねん」と憤慨したのも束の間、何やら見知らぬシールが目についた。”PAY WITH YOUR PHONE” とあるからスマートフォンで支払いができるらしい、これは良いな、とさっそくそのアプリ PayRange をダウンロードしたのであった。

さて、PayRangeだが、私にもできるくらいだから使い方は難しくはない。
インストールする端末にはインターネット接続(Wi-Fi 専用機でかまわない)と Bluetooth が必要。アカウントを作成しチャージ(おすすめの25ドルのままでいい)したら、いつも通り洗濯機/乾燥機に衣服を入れ、アプリを起動する。

すると周囲にある対応機の一覧が出てくるので、自分の使う洗濯機/乾燥機を洗濯する。


基本的に洗濯機は定額、乾燥機はX分毎にXセント、という設定だと思われる。画面に従ってスワイプすると、該当マシンから音が鳴ってスタートボタンが点滅するので、それを押してやる。すると洗濯ないし乾燥が始まる、という流れである。

アプリでは完了までの時間も教えてくれる。が、これはいまひとつ正確ではないようだ。
PayRange を使うようになってから、25セント硬貨の残りを気にする必要がなくなりとても助かった。もしアメリカでアパートを探すことがあれば、コインランドリーの位置と支払い方について予めチェックしておいた方がいいかもしれない。
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